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心理学用語集: 森田療法

2 - 心理療法日本の心理療法 > 51- 森田療法

 日本独自の心理療法としては、「森田療法」、「内観療法」、「動作法(臨床動作法)」があります。
ここでは、概論と森田療法についてまとめます。


日本の心理療法の概要
心理療法 概要と関連用語
森田療法  森田正馬(モリタ マサタケ)が考案した神経症に対する治療法。
 神経症的症状をあるがままに受け入れることで、生の欲望を建設的な方向に発揮させ、自身のやるべきこと(目的)を行うことで症状の悪循環を断ち切る療法。神経症が対象であるが、軽度のうつ病や、アルコール依存症などにも適用される。

関連用語:精神交互作用、ヒコポンドリー性基調、森田神経質、絶対臥褥期
内観療法  吉本伊信(ヨシモ トイシン)が考案した療法で、依存症や神経症全般、不登校、非行少年などに適用される。
 自分な身近な人たちに対して、「していただいたこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3点を繰り返し思い出すことで、自分や周囲の人たちへの理解が深め、自己中心性からの脱却し肯定的な自他への認知を促す療法。

関連用語:内観3問
動作法(臨床動作法)  成瀬悟策(ナルセ ゴサク)の考案した療法であり、発達障害や統合失調症、神経症全般に対して効果があるとされている。
 意図した動作を実現する努力の体験を通して、精神的な状態への洞察や自己統制感を得ることで、活動全般に変化を促す身体的アプローチの心理療法。

関連用語:意図・努力・身体運動


森田療法

 「森田療法」とは、森田正馬(モリタ マサタケ)によって考案された日本独自の心理療法であり、禅の思想を背景としています。

 森田は神経症の原因を、神経症者がもつ「ヒポコンドリー性基調」という素質と「機会(環境)」、および「精神交互作用」であると考えました。
 森田療法の対象となる神経症者は、「森田神経質」と呼ばれます。

 森田療法では、神経症的症状をなんとかしようと思わずに「あるがまま」受け入れること目指します。それによって、精神交互作業がうみだす心身の状態への注意へのとらわれを打破し、生の欲望(よりよく生きたい欲望)を建設的な方向へ発揮させます。
 
 森田療法は、神経症だけでなく、軽度のうつ病や、アルコール依存症などにも適用されており、摂食障害や不登校にも効果があるという報告もあるようです。


精神交互作用:

 精神交互作用とは、「心身の感覚とそれに対する注意が相互に影響しあう悪循環」といえます。
 森田は、「ヒポコンドリー性基調(いたずらに病苦を気にする精神的基調)」と呼ばれる素質をもつ人は、何らかのきっかけ(機会)によって自身の心身の状態に注意を向けるようになると、その注意がさらに心身の感覚を鋭敏にさせ、より一層心身の状態に注意をむけるようになると考えました。
 この悪循環が精神交互作用と呼ばれます。例えば、人前で緊張している人が「緊張するな」と思えばおもうほど、人の表情に注意がより向いてしまい緊張するといったものです。


森田神経質:

 森田神経質とは、ヒポコンドリー性基調(いたずらに病苦を気にする精神的基調)を基盤とした神経症者のことです。
 通常の神経質傾向、強迫観念、不安を基盤としたもので、対人恐怖症、強迫神経症、不安神経症、パニック障害などが該当します。
ただし、「ヒステリー(変換症)」は含まれません


絶対臥褥:

 森田療法の治療には、「1.絶対臥褥期」、「2.軽作業期(個人作業)」、「3.重作業期(共同作業)」、「4.生活訓練期」の4つの段階があります。

 絶対臥褥期は、一切の活動が禁じられただ寝るだけの「絶対臥褥」により活動意欲を活性化します。
 入院治療では個室に隔離し、面会だけでなく、読書等の慰安も一切禁じられます。その後、軽作業期から徐々に外界と接していき、日記をつけることなどが指導されます。
 そして、治療の段階に沿って、症状があることを「あるがまま」として受け止め、具体的な作業を通して行動するなかで注意からはなれる瞬間を体験していきます。
 治療者は、過去や原因、理論を追求しない「不問的態度」が重視されます。



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