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心理学用語集: 認知症検査

4 - 心理査定・検査神経心理学的検査 > 52- 認知症検査

 ここでは、「認知症」に特化した検査についてまとめます。
認知症の「スクリーニング検査」と「重症度を判定する検査」に分類して記載します。そのほか、WMS-Rなどの神経心理学的検査も認知症のアセスメントに使用します。

 検査一覧:

  1. スクリーニング : 長谷川式認知症スケール(HDS-R) / 国立精研式認知症スクリーニングテスト / MMSE
  2. 重症度判定 : MSQ / N式精神機能検査 / N式老年用精神状態尺度(NMスケール) / ADAS-cog(ADAS)

認知症のスクリーニング検査

 認知症のスクリーニング検査としては、「長谷川式認知症スケール(HDS-R)」、「国立精研式認知症スクリーニングテスト」、「MMSE」などがあります。


長谷川式認知症スケール(HDS-R):

 「長谷川式認知症スケール」は、認知症のスクリーニングを目的とした検査です。重症度を判定することはできません。
 長谷川式認知症スケールは、1974年に作成された「長谷川式簡易知能評価スケール(HDS)」の改訂版(1991年)です。

 「日時と場所の見当識」、「計算」、「3つの言葉の記銘と遅延再生」などといった「全9項目」の質問から構成され、検査者は口頭でそれぞれの質問をします。

  1. 見当識、計算、記憶に関する質問以外に、言葉の流暢性をみる「野菜の名前」の質問がある。
  2. 「30点」満点で「20点」がカットオフとなり20点以下では認知症を疑う。
  3. 初期認知症においては、「日時の見当識」「3つの言葉の遅延再生」「野菜の名前」の質問に対して、認知機能低下がみられる。
     症状が進行しても「3つの言葉の記銘」の質問に対しては、機能が保持されやすい。
国立精研式認知症スクリーニングテスト:

 「国立精研式認知症スクリーニングテスト」は、認知症のスクリーニングを目的とした検査です。重症度を判定することはできません。
 「見当識」や「一般知識の問題」など全16問から構成されます。
 「20点」満点で「10点以下」で問題ありとみなされます。


MMSE(Mini-Mental State Examination):

 「MMSE」は、認知症のスクリーニングを目的とした検査ですが、重症度も評価可能です。
 「見当識」、「計算」、「図形模写」などといった「全11項目」の質問から構成され、検査者は口頭での質問のほか、文章を読ませて動作させる、模写させることをします。

  1. 見当識、計算、記憶といった「言語性検査」と、模写させるといった「動作性検査」から構成されている。
  2. 「30点」満点で「23点以下で軽度認知症(MCI)」、「20点以下でせん妄やうつ病等による知能低下」、「14点以下で重度認知症」の疑いがあるとみなされる。


認知症の重症度を判定する検査

 認知症の重症度を判定する検査としては、「MSQ」、「N式精神機能検査」、「N式老年用精神状態尺度(NMスケール)」、「ADAS-cog」などがあります。


MSQ(Mental Status Questionnaire):

 「MSQ」は、認知症の重症度を判定する検査であり、「全10問」から構成されます。
 前半5問が「急性」の認知症の程度を見る見当識に関する問題で、後半5問が「慢性」の認知症の程度をみる一般的知識問題です。

 失敗した問題数に応じて、「異常なし(2問以下)」、「中程度の認知症(3問以上8問以下)」、「重度の認知症(9問以上)」と判定されます。


N式精神機能検査:

 「N式精神機能検査」は、認知症の重症度を判定する検査で、「全12項目」から構成されます。
 見当識や計算だけでなく、空間認知や運動構成など幅広い知的機能をみることができます。

 100点満点であり、点数に応じて重症度が5段階で判定されます。
「正常(95点以上)」「境界(94〜80点)」「軽度(79〜60点)」「中等度(59〜30点)」「重度(29点以下)」


N式老年用精神状態尺度(NMスケール):

 「N式老年用精神状態尺度(NMスケール)」は、認知症の重症度を判定する検査であり、意思疎通を必要とせず、被検者の日常生活における行動観察を通して評価を行います。
 「家事・身辺整理」「関心・意欲・交流」「会話」「記銘・記憶」「見当識」の5項目に対して行動を7段階で評価し、得点化します。

 50点満点であり、点数に応じて重症度が5段階で判定されます。3項目を用いた方法(30点満点)での評価も可能です。
「正常(48点以上)」「境界(47〜43点)」「軽度(42〜31点)」「中等度(30〜17点)」「重度(16点以下)」


ADAS-cog(ADAS):

 「ADAS」はアルツハイマー病評価尺度であり、認知機能下位尺度(ADAS-cog)と精神状態等を評価する非認知機能下位尺度(ADAS-non cog)から構成されます(参照)。
  ADAS-cogが独立して使用される事が多く、認知機能下位尺度は原版では、記憶、言語、行為の3領域の評価に重点がおかれた11種類の課題ですが、日本語版では異なっています。
 ADAS-cogは認知機能障害の重症度の評定もされますが、原則としてアルツハイマー型認知症を対象としたコリン作動薬による認知機能の変化を評価することを目的としているため、「治療効果を評価するため」に用いることが適切な使用方法とされています。



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