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心理学用語集: 遊戯療法

2 - 心理療法箱庭療法・遊戯療法 > 43- 芸術療法

 「芸術療法」とは、絵画、工作、音楽、演劇、ダンスなどといった芸術作品を創造する活動によって、心の健康回復を目指す心理療法です。クライエントが何らかの表現方法を見つけ出すということを意味して、「芸術表現療法」という呼び名もあります。


一般的な適用と特徴

 芸術療法は、年齢や症状を問わず幅広く適用可能であり、特に十分に言語表現することが難しいこどもや、対人的接触が苦手な成人に対して有効であるとされます。
芸術療法の特徴として下記のような点が挙げられます。

  1. 言語ではなく創作活動を通してイメージによって自己の内面を表現することで、カタルシス効果が得られる。
    また、実施に対する治療的抵抗が少ない。
  2. 芸術作品などによって表現された内容から、クライエントの内的世界が明らかになり、アセスメントに役立つ。
  3. 創造活動がリハビリテーションとしての効果を発揮する。

絵画による芸術療法

 絵画による代表的な芸術療法としては、中井久夫による「色彩分割法」や「風景構成法」が挙げられます。

色彩分割法:

 1枚の画用紙を鉛筆などでクライエントが自由に分割し、各分割領域に好きな色を塗っていく方法です。セラピストがあらかじめ分割する方法もあります。

風景構成法:

 心理検査の描画法の1つとしても有名です。箱庭療法をヒントに考案し、「統合失調症患者」への描画を介した治療的接近法とされます。
 セラピストが枠付けした画用紙に対して、クライエントがセラピストから教示された順番で「川・山・田・道」(大景群)、「家・木・人」(中景群)、「花・動物・石」(小景群)を描いた後、彩色します。

枠付け法」とは、画用紙にセラピスト自らが枠を描き入れることで、クライエントに安全感と保護を与える方法であり、中井久夫が考案しました。枠付けをしないと、より防衛的、虚栄的で、現実に引きずられた表現が出現するとされています。枠付けは、クライエントに保護を与える一方で、「表出を強いる」という両価性をもっています。


なぐり描き法

なぐり描き法としては、ナウムバーグ(Naumburg,M)による「スクリブル法」やウィニコット(Winnicott,D.W.)による「スクイッグル法」が挙げられます。

スクリブル法:

 ナウムバーグ(Naumburg,M)が開発した方法で、クライエントが自由に画用紙になぐり描きを行います。

  1. サインペンを用いて、自由ななぐり描き(線描)をしてもらう。
  2. 線描の中に、何を発見(投影)するかを聴く。
  3. 発見(投影)の説明をしてもらう。
  4. 彩色し、完成させる。
  5. 必要な質問などを行う。

スクイッグル法:

 ウィニコット(Winnicott,D.W.)が開発した方法で、セラピストとクライエントが相互になぐり描きをして見えたものを絵にします。一人が描いた一筆書きの線を利用して、もう一人が絵を完成させます。

  1. セラピストが1筆書きによるなぐり描きをクライエントの目の前で描く。
  2. クライエントに渡して何にみえるかを質問する。
  3. クライエントは線を加えて見出したものを完成させる。
  4. 立場を交代して、相互なぐり描きを繰り返す。

 その他、スクイッグル法を発展させた「山中康裕」による「交互なぐり描き物語統合法(MSSM)」があります。
1枚の紙をコマ割りし、セラピストとクライエントが交互になぐり描きしあい、彩色して絵を完成し、すべての絵を用いてクライエントが物語を作ります。


コラージュ療法

 コラージュ療法は、雑誌やパンフレットなどの既成のイメージを切り抜いたものを台紙に糊付けし、再構成して作品をつくります。コラージュとは「糊づけ」を意味します。完成後に、作品をもとに連想を広げ、作品や制作中の感じなどを話し合います。
 コラージュ療法には、「コラージュボックス法」と「マガジン・ピクチャー・コラージュ法」の2種類があります。

コラージュボックス法:

 コラージュボックス法では、セラピストは事前に雑誌やパンフレットを切り抜いたものを用意し、箱にいれておきます。
クライエントは、箱の中から切り抜きを選んで、作品を作ります。

マガジン・ピクチャー・コラージュ法:

 クライエント自身が雑誌などから好きなイメージを自由に切り抜いて、作品を作ります。



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