ここでは、遊戯療法(プレイセラピー)の特徴と、代表的な種類についてまとめます。
用語 : 遊戯療法の特徴 / Axline,V.M(アクスライン: 遊戯療法の8原則) / Freud,A.(アンナフロイト) / Klein,M.(メラニー・クライン)
「遊戯療法」(プレイセラピー)とは、子供を対象とし、遊びを通して内的世界を表現させる心理療法です。
子供は言語能力の発達が不十分であるため、精神分析的遊戯療法では、遊びを通した子供向けの自由連想法ともされます。
遊戯療法では、子供は自由で安全な空間であり玩具や遊具を備えた「プレイルーム」などで行われます。
セラピストは、子供の主体性を尊重して受容的に接します。そうすることで、子供はそのまま受け入れてくれる存在を感じることができ、言語・非言語表現を豊かに展開することが可能になるとされます。
また、セラピストの「共同注意(Joint Attention)」の心理的位置取りが、子供にとって世界を共有する他者の存在を感じられることになるとされます。
遊戲療法の効果としては、下記のようなものがあるとされます。
代表的な遊戯療法としては、Axline,V.M(アクスライン)の児童中心療法や、Freud, A.(アンナ・フロイト)とKlein,M.(メラニー・クライン)の精神分析的遊戯療法があります。
アクスライン(Axline,V.M)は、非指示的なクライエント中心療法を子供に当てはめた児童中心療法を提唱しました。アクスラインは「遊戯療法における8原則」を定めました。
自我心理学派とされるアンナフロイト(Freud,A.)は、無意識の直接解釈は児童に対しては困難と考え、自我の自立性や適応機能を重視しました。
そのため、遊戯療法においては、親や教師との連携が不可欠であると考え、セラピストによる「現実的な介入」を行いました。
メラニー・クラインクライン(Klein,M.)は、超自我が形成されるのはフロイトの考えた年齢よりも早く、3歳くらいのこどもにもすで形成されていると考えました。
リビドーの抑圧に注目し自由連想法と同様に、遊戯療法においても「解釈」を行います。
「簡素な部屋とおもちゃ」を用いて、こどもが遊びを通して示す不安を言語によって解釈することで、こどもは洞察を深めることが可能であると考えました。