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心理学用語集: コミュニケーション学派・構造学派

2 - 心理療法家族療法 > 62- コミュニケーション学派・構造学派

 ここでは、家族療法の「コミュニケーション学派」と「構造学派」をまとめます。
用語:コミュニケーションン学派・MRI / 二重拘束理論(ダブルバインド理論) / 構造学派(ミニューチン) / ジョイニング・エナクトメント



コミュニケーション学派

 コミュニケーション学派は、Bateson,G(ベイトソン)らの二重拘束理論(ダブルバインド)の流れを汲み、家族を「コミュニケーションの相互作用システム」ととらえます。Jackson,D.D.(ジャクソン)が創立したMRI(Mental Research Institute)で行われた家族療法をさします。
 家族の成員(メンバ)の内面の問題は扱わず、コミュニケーションの機能不全的な連鎖に介入し、新たなコミュニケーションパターンを獲得することを目標とします。

  1. 行動はすべてコミュニケーションと考え、コンテンツ(内容)とコンテキスト(文脈)を扱う。
  2. 人間関係を対称性(それぞれ役割をもつ)と相補性(相手を補う関係性)からとらえる。
  3. コミュニケーションはそれぞれの認識によって理解される。
  4. 問題は繰り返されるコミュニケーションのパターンが維持されることで生じる。
    問題を「誤った対処法(問題解決法)をおこなった結果」と考える。

 介入では、スモールステップで「小さくても違うことを行う」ということを重視し、小さくても確実な変化がシステム全体への変化を及ぼすと考えます。


二重拘束理論(ダブルバインド理論):

 二重拘束理論とは、ベイトソンが提唱した理論であり、親からこどもに対して、言語的メッセージと同時にそれと矛盾する非言語的メッセージが送られ、こどもが葛藤状態におかれることが日常的に繰り返されることで、統合失調症が発症するという考えです。
ダブルバインドとは、「複数の矛盾した、いづれもが重要な意味を持ったメッセージを受け取った者が、それに対して問いただすことも逃れることもできない状況」をいいます。



構造学派

 構造学派は、Minuchin,S(ミニューチン)の学派であり、家族のシステム構造に重点をおきました。家族は全体で独立したシステムを形成しているが、その内部にさらにサブシステムを持ちます(夫婦サブシステム、親子サブシステム、同胞サブシステム)。
 構造学派では、家族とは、役割や機能によって明確に組織されており普遍的な構造であり、症状は家族構造の不適切なバランスによって生じると考えます。
 家族内の非機能的な「境界(Boundary)」、「連合(Alignment)」、「権力(Power)」に介入し、適切な家族構造を再構成を行います。


境界・連合・権力:
用語 内容
境界 境界とは、家族と外部との境界、及び、個人と個人の境界としても考えらえます。健全な家族は、境界が曖昧な纏綿状態(てんめん)・纏綿家族でも(成員が密着している)、境界が硬直した遊離状態・遊離家族(成員間の交流が遮断されている)でもないと考えます。
連合 連合とは、家族のメンバが目的のために結びつくことをさします。問題のある家族は、母子連合・父親の孤立、母子・父子連合・夫婦の断絶などがあります。夫婦間の連合はある程度健全で必要であると考えます。
権力 権力とは、家族内のヒエラルキーをさします。健全な家族には、親と子の間に適切なヒエラルキーがあり、問題のある家族はそれが逆転していると考えます。例えば、拒食症のこどもをもつ家族は、こどもがヒエラルキーの最上位にあるとされる場合があります。

技法:ジョイニング・エナクトメント

 構造学派の用いる技法としては下記のようなものが挙げられます。

  1. ジョイニング(Joining):セラピストが家族に加わり交流する。
  2. エナクトメント(Enactment):家族のパターンをその場で実演させる。
  3. メシメス(mimesis):家族の模倣したりテンポを合わせる。
  4. トラッキング(Tracking):今までのコミュニケーションを続けさせ、それに従う。


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