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心理学用語集: 集団療法

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 ここでは集団療法(グループセラピー)についてまとめます。
用語:集団療法の効果・ファシリテーターエンカウンターグループ心理劇(サイコドラマ)Tグループセルフ・ヘルプ・グループ(自助グループ)



集団療法の概要

 集団療法(Group Therapy)とは、複数のクライエントが集まって行う心理療法のことです。
集団療法は、「参加者同士が相互作用よってお互いに影響を及ぼしあうこと」が特徴であり、過去よりもその場におこっている(今・ここ)を重視します。
 集団療法には、集団体験を通して下記にような効果が期待されます。

  1. 他者とのつながりや深い交流を体験する。
  2. 他者への共感を体験する。
  3. 自己理解や自己受容をもたらす。
  4. 対人交流パターンに変化が生じる。


 集団療法において、クライエント間の相互作用を活性化する役割を担う人を「ファシリテーター(促進者)」と呼びます。
 ファシリテーターの役割としては「1.参加者の様子を見守る、2.フィードバック、3.メンバー間のかかわりの促進、4.信頼感・安心感のある雰囲気形成、5.強制・無理強いをしない、6.正直・率直・素直な態度」といったものがあります(野島,2002)。



代表的な集団療法

代表的な集団療法を下表にまとめます。
これ以外に、「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」や家族療法も、広義には集団療法に含まれます。

集団療法 内容
エンカウンターグループ  Rogers,C.(ロジャース)がカウンセラーの養成を行うために始めたものです。人間的成長と対人関係コミュニケーションの改善に焦点を当てています。
心理劇
(サイコドラマ)
 Moreno,J.L.(モレノ)が創始した、即興劇の方法を用いた集団療法です。台本のない劇の中で特定の役割を即興的・自発的に演じることで、他者への共感性や自分自身についての気づきを深めます。
心理劇の詳細
Tグループ  Lewin,K(レビン)によって考案された集団療法です。非日常的な場所で合宿形式で行われ、自己対峙を要求され、激しい情緒的体験を伴います。人間関係や集団内の役割の獲得が得られるとされます。
セルフ・ヘルプ・グループ
(自助グループ)
 セルフ・ヘルプ・グループとは、同じ問題や障害を抱えるメンバー同士が匿名のままお互いの悩みを聞いたり、助言し合うグループをさします。自己治癒力を高めていくことを目的とし、基本的には当事者のみが参加し、専門家が直接かかわることはありません。
 アルコール依存症のセルフ・ヘルプ・グループとしては、「断酒会」や「AA(Alcoholics Anonymous)」があります。


心理劇(サイコドラマ)

 Moreno,J.L.(モレノ)が創始した、即興劇の方法を用いた集団療法です。
 モレノは、人生の価値は創造性にあると考え、心理劇は自発性を刺激し、創造性を引き出すものであり、それによって個人が癒され、社会がより高いレベルに向上していくと考えました。
心理劇では、「台本のない劇の中で特定の役割を即興的・自発的に演じること」によって、「カタルシス」を得たり、「他者への共感性」や「自分自身についての気づき(内面の洞察)」を深めます。

心理劇は、下記の5つの要素から構成されます。
・監督:劇の責任者。画面設定、配役、進行を行う。
・演者:劇の中で実際に演じる人。
・補助自我:劇に参加し演者の演技を助ける人。
・観客:劇を見る人々。
・舞台:演じる場所。


心理劇では、下記のような技法が用いられます。

  1. 役割交換:
    劇中で役割を交換すること。それによって他者の視点から自分を見つめることが可能となる。
  2. 二重自我:
     演者が演じきれていない部分を補助自我が補うことで、両者があたかも一体であるかのように演じること。
  3. 自我分割:
     演者の葛藤を表現するために、葛藤の一方を補助自我が演じる事により、お互いの気持ちを話し合うこと


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