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心理学用語集: 摂食障害

3 - 精神病理摂食障害・睡眠障害・依存症 > 61- 摂食障害

 ここでは、DSM-5の「食行動障害および摂食障害群」についてまとめます。
「神経性やせ症」、「神経性過食症」のほか、「過食性障害」、「異食症」、「反芻症」、「回避・制限性食物摂取症」が含まれています。


摂食障害群

 摂食障害群は、「体重に対する過度なこだわり」や「自己評価への体重・体系への過剰は影響がある」などといった心理的要因に関連した食行動の障害です。パーソナリティ障害との併発も多いとされています。

「神経性やせ症」は10代、「神経性過食症」は20代が多く、患者の多くが”女性”です(神経性やせ症の90%以上が女性)。

神経性やせ症(無食欲症):

「神経性やせ症(無食欲症)」(AN:Anorexia Nervosa)は、以下の3つを診断基準とします。

  1. 有意に低い体重(BMIによる重症度特定:18.5未満から軽度)
  2. 低体重にもかかわらず、体重増加や肥満への強い恐怖がある
  3. 自分の体重や体形に対する認識の障害

 神経性やせ症(無食欲症)は、「摂食制限型(過食と排出行為の繰り返しが無く、断食やダイエットによる体重減少)」と、「過食・排出型(過食と不適切な排出行為の繰り返しがあること)」の2つに分かれます。
過食・排出型の排出行為としては、自己誘発性嘔吐や下剤・利尿薬の濫用などがあります。

 過度の体重減少は、身体に深刻なダメージを与え、時には死に至る場合があり、回復しても後遺症を残す場合があります。早期に医師の治療を受け、体重の回復をすることが優先されます。


神経性過食症(神経性大食症):

「神経性過食症(神経性大食症)」(BN:Bulimia Nervosa)は、以下の4つを診断基準とします。

  1. 過食の繰り返し(時間当たりの食事量が大量で、抑制できない)
  2. 体重増加を防ぐための不適切な代償行動の繰り返し(排出行動 過度な運動、絶食)
  3. 過食と代償行動が3カ月にわたり週1回以上おこる
  4. 自己評価が体形・体重の影響を過度にうけている

 「過食性障害」は、排出行動などの代償行動を伴わずに過食を繰り返し、「早く・苦しいくらい満腹になるまで・恥ずかしさから1人で食べる」ことや「後で自己嫌悪・抑うつ・罪責感を感じる」といった特徴があるのがとなります。


発症の要因

 発症の要因としては、「文化的社会的要因」、「心理的要因」、「生物学的要因」が関連しており、それらの相互作用によって生じているとされています。

  1. 文化社会的要因:
    ファッションモデルなどスリムな女性をもてはやす社会や文化。
  2. 心理的要因:
    低い自尊心、強迫傾向、完全主義(それらによる自己像の歪みや他者評価へのとらわれ)。家庭環境(両親不和、乏しい交流 偏った養育態度や体形への批判)や、女性としての成熟に対する拒否など。
  3. 生物学的要因:
     遺伝子による要因。

援助の方法

 体重減少が激しい場合は入院治療による身体管理を行い、栄養の改善を図ります。
援助は、食行動のみならず社会的な行動全般における自己統制強化を目標とし、それに伴う心理的な葛藤への介入を行います。

 援助の方法としては、認知行動療法と対人関係療法が心理療法として標準的とされます。
 また、体重増加への恐怖や不安に対して、抗うつ薬や抗精神病薬の利用もされることがあるとされています。



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