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心理学用語集: 感覚・視覚

1 - 基礎心理学感覚・知覚 > 21- 感覚・視覚

 ここでは「感覚」やそれに関する法則および、その1つである「視覚」についてまとめます。また、「精神物理学的測定法(恒常法など)」についてまとめます。



感覚とは

 感覚とは、感覚器官が刺激されたとき生じる意識経験をいいます。
感覚の種類としては、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、皮膚感覚[触覚/痛覚/温覚/冷覚]、深部感覚[圧覚等]、運動感覚[筋感覚]、平衡感覚、内臓[有機]感覚などがあります。
 体性感覚とは、皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚をさします。

 受容器とは、刺激を電気信号に変化する細胞のことであり、感覚器(器官)とは、受容器と神経を含むもので、ひとつの機能を果たします。
 例) 視覚の場合、感覚器は「眼」であり、受容器は「錐体・桿体細胞」

感覚モダリティ(感覚様相): 

 感覚モダリティとは、それぞれの感覚器で感知する固有の経験の種類(現象的性質)のことです。感覚モダリティには「光、音、温度、味、圧力、臭い」のモダリティが含まれます。
 異なった受容器を通して生じた感覚的経験はそれぞれ質的に異なります。視覚による経験(絵を見る)は、聴覚による経験(鳴き声)とは当然異なります。

適刺激と不適刺激 :

 それぞれの感覚器は、特定の刺激に対して働きます。感覚受容器が感知できない刺激は感知しないため感覚は生じません。感知できる刺激・できない刺激をそれぞれ「適刺激、不適刺激」と言います。
 例) 感覚器が眼の場合は、光は適刺激だが、音は不適刺激。

一方、ある刺激により、本来生じる感覚以外の感覚が生じることを「共感覚」といいます。
 例)音楽がなっている時、聴覚による経験(音が聞こえる)だけでなく、視覚による経験(色が見える)が生じる。

マスキング現象:

 ある刺激により特定の刺激が妨害される現象のことです。妨害する刺激をマスカー、妨害される刺激をマスキーと呼びます。同時に提示される刺激による「同時マスキング」、前の刺激がマスキングする「順行マスキング」や後からの刺激がマスキングする「逆向マスキング」があります。



フェヒナーの法則とウェーバーの法則:

 Fechner,G.T(フェヒナー)らは、刺激に対する感覚の測定を行い、その法則を研究しました。

フェヒナーの法則:

 「感覚の強さは刺激の強さ(水準)の対数に比例する」という法則。
 E=KlogR(E:感覚の強さ、R:刺激水準)
 フェヒナーの法則から、刺激がそれ以上増加しても感覚が増加しなくなる刺激量があると考えられ、この刺激量を「刺激頂」といいます。

ウェーバーの法則:

 「弁別閾は、刺激量に比例して変化する」という法則。
 ΔR/R=k (ΔR:弁別閾、R:刺激水準)

刺激閾と分別閾(ベンベツイキ):

 刺激の量が感覚を感じる下限刺激量より小さくても感知しません。感覚が生じる刺激の大きさを「刺激閾」といいます。
 感覚受容器が感知することの「最小限の刺激の差異」のことを「弁別閾(丁度可知差異)」といいます。
(例:音Aと音Bの大きさが違うと感じる時の「音量の差異」が弁別閾)



精神物理学的測定法 : 極限法・恒常法・調整法・マグニチュード推定法

 フェヒナーに由来する刺激に対する感覚の測定法を「精神物理学的測定法」といいます。
 精神物理学的測定法には、下記のようなものがあります。「極限法・恒常法・調整法」は伝統的精神物理学的測定法とされます。

  1. 極限法(丁度可知差異法):
     刺激を一定量変化させて、被検者に「感じる(または、等しい)/そうでない」などの判断を求める方法。
  2. 調整法
     被験者自身が同じ刺激量になるように調整する方法。
  3. 恒常法
     ランダムに刺激量を変化させて、被検者に「どちらが高いか・どちらと等しいか」などの判断を求める方法。試行回数が数十回以上となる。
     恒常法において主に用いられるのが、2つの選択肢からどちらか1つを選ばせる方法である「二肢強制選択法(2AFC)」です。
  4. マグニチュード推定法
     被験者に刺激量を比率で回答させる方法。
  5. 一対比較法
     2つ1組の刺激を提示し、2つの大小や好き嫌いを選択させる方法。

 反応バイアスを含みにくい測定法としては、“ランダム”に量を変化させ、試行回数が多い「恒常法」が挙げられます。そのため、恒常法で用いられる二肢強制選択法も反応バイアスを含みにくいといえます。


反応バイアス/想起バイアス:

「反応バイアス」とは、「想起バイアス」・「報告バイアス」などとも呼ばれ、研究参加者が過去の出来事や経験を想起して得られた「回想の正確性や完全性の違いから生じる誤差」のことをさします。


心理測定関数:

「心理測定関数」とは、精神測定関数や刺激特性曲線などとも呼ばれ、刺激の物理量と、その刺激によってうける反応との関係をあらわす関数です。刺激による反応とは、通常は強制選択法での正答率となります(例:どちらの音が大きいかの正答率)。
 心理測定関数を直接測定する実験手法としては「恒常法」が用いられます。



視覚とは

 感覚で最も重要なものが視覚です。視覚は、網膜の感光細胞で光刺激が電気信号に変換され、その信号が大脳皮質後頭野の視覚領に送られることで生じます。

錐体と桿体:

 網膜の感光細胞には「錐体(スイタイ)」と「桿体(カンタイ)」があります。

  1. 錐体(細胞):
     網膜の中央部分に密集していて、色覚機能を持ち色識別ができます。
  2. 桿体(細胞):
     網膜上に存在し、暗所での視覚機能(暗所視機能)を担い、感度が高いのが特徴です。
色覚のメカニズム:

 視覚の重要な要素である色覚のメカニズムには諸説がありますが、最近では「段階説」有力です。

  1. 三色説(ヤング=ヘルムホルツ説)
     光の3原色(赤・緑・青)に対応した受容器の組み合わせで、色覚が生じます。視覚現象である混色・補色は説明できますが、対比や残像の現象を説明できません。
  2. 反対色説(へリング説)
     白/黒、赤/緑、黄色/青の3種の視物質を仮定し、その物質の異化・同化作用で、色覚が生じます。視覚現象である対比や残像は説明できるが、混色・色盲の現象を説明できません。
  3. 段階説(処理の階層性)
     錐体では三色説的処理が行なわれ、網膜経節細胞までに反対色説的な処理が行われます。
明順応と暗順応:

 刺激閾以上の刺激が与えられても、時間とともに感受性が低下する現象を「感覚の順応」といいます。感覚の順応は感覚一般に生じますが、痛覚では軽い痛み以外は順応が生じません。
視覚においては、明るい場所に出たときに生じる順応である「明順応」と、暗い場所に入ったときに徐々に見えなかったものが見えてくる現象の「暗順応」があります。



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