ここでは、「ウェクスラー式知能検査」についてまとめます。
用語:ウェクスラー式の種類と適用年齢 / 実施と評価法 / ディスクレパンシー / WAIS下位検査 / WISC下位検査 / WPPSI下位検査 / 検査指標(FSIQ・VCI・PRI・WMI・PSI・GAI・CPI・GLC)
Wechsler,D.(ウェクスラー)は、知能を「目的に行動し、合理的に思考し、環境を効果的に処理するための、個人の集合的ないしは全体的能力」と定義しました。
ウェクスラー式知能検査は、ウェクスラーが個人の知能構造を診断する目的で開発した知能検査です。知能検査としては体系的で、現在最も使われている検査法の1つとされています。
検査結果には、「偏差知能指数DIQ」を使用します。
ウェクスラー式知能検査には、適用する年代別に分かれた3つがあります。
現在日本で、使用されている「日本語版ウェクスラー式知能検査」の最新版とその「適用年齢」は下記の通りです。
最新版は2011年に「WISC-IV」、2017年に「WPPSI-III」、2018年に「WAIS-IV」が刊行されています。
(参考:以前の版の適用年齢)
最新版の検査の指標を下記にまとめました。
(参考:以前に使用されている指標)
ウェクスラー式知能検査は、決められた下位検査の順番に従って施行します。
また、時間短縮のために、「中止条件」や「制限時間」が設定されています。
検査施行における留意点を挙げます。
実施後は、検査結果の記録に基づき、下位検査の得点と、全検査IQや指標得点などの指標を算出します。
得点の算出後、「指標」、「下位検査の得点」、「ディスクレパンシー」といった定量情報だけでなく、「被検者の検査中の様子」や「事前情報等」などから評価を行います。
「ディスクレパンシー(discrepancy)」とは、指標間のズレ(差異)のことです。ウェクスラー式知能検査の特徴は、知能の偏りを見ることです。
「4つの指標得点の間(または群指標)」、「下位検査得点の間」に大きな得点差異がある場合、”ディスクレパンシーがみられる”といいます。
WAIS-IVが2018年に刊行されました。WAISの下位検査と指標得点との関連を「WAIS-IV」と「WAIS-III」についてまとめます。
WAIS-IVから、新たに3つの下位検査「パズル」「バランス」「絵の抹消」が加わりました。
指標得点と下位検査の関係を表にまとめました(下記をクリック)。
WAIS-IIIには言語性IQ、動作性IQ、群指標があります。それらと下位検査の関係を表にまとめました(下記をクリック)。
WISC-IVが2011年に刊行されました。「WISC-IV」では、WISC-IIIの下位検査であった「絵画配列」「組み合わせ」「迷路」は削除されています。
WISC-IVの下位検査と指標得点との関係を表にまとめました(下記をクリック)。
2017年にWIPPSIが改訂され、WPPSI-IIIが刊行されました。
WPPSI-IIIは、「2歳6ヶ月〜3歳11ヶ月」と「4歳0ヶ月〜7歳3ヶ月」の2部構成となります。
WPPSI-IIIの下位検査と指標得点との関係を表にまとめました(下記をクリック)。