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心理学用語集: 知能検査(概要)

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 ここでは、「知能検査の概要とその種類」についてまとめます。



知能検査の概要

 「知能」とは「学習する能力、学習によって獲得された知識及び技能を新しい場面で利用する能力であり、また、獲得された知識を選択的適応をすること」(アメリカ心理学会)とされます。
 知能検査は、知能を測定するために作成された心理検査です。
 世界で最初の知能検査とされるのは、「Binet,A.(ビネー)」と「Simon,T(シモン)」が知的の学問的な診断法を確立するために開発した「ビネー式知能検査」です。

 当初の知能の指標としては「精神年齢」が用いられていましたが、その後「知能指数(IQ:Intelligence Quotient)」を「Stern,W.(シュテルン)」が考案しました。そして、「Terman,L.(ターマン)」が知能検査に採用したことで、使用されるようになりました。

 一方、「Wechsler,D.(ウェクスラー)」は、知能構造の診断をするために「ウェクスラー式知能検査」を開発しました。ウェクスラー式知能検査は、知能指数ではなく、「偏差知能指数」を用いています。


知能指数:

 知能指数としては、「知能指数(IQ)」、「知能偏差値(ISS)」、「偏差知能指数(DIQ)」があげられます。
 知能指数と知能偏差値は、主にビネー式知能検査に用いられ、偏差知能指数は主にウェクスラー式に用いられます。

知能指数(IQ:Intelligence Quotient)
知能指数は、実年齢に対する精神年齢の程度(発達の割合)を示す。

知能指数IQ =「精神年齢MA」÷「生活年齢CA」*100

  1. 精神年齢(Mental Age):
     ビネーの知能テストによって評定された精神発達水準(単位は月数)
  2. 生活年齢(Chronilogical Age) :
     実年齢(単位は月数)
知能偏差値(ISS:Intelligence Standard Score)
知能偏差値は、同じ年齢集団の平均と比較して、どの程度の高さであるかを示す。集団の平均を50とする。

知能偏差値 = 50 + 10*{「(各個人の点数 - 同年齢集団の平均点)」÷「同年齢集団の標準偏差」}

偏差知能指数(DIQ:Deviant Intelligence Quotient)
偏差知能指数は、同じ年齢集団の平均と比較して、どの程度の高さであるかを示す。集団の平均を100とする。

偏差知能指数 = 100 + 15*{「(各個人の点数 - 同年齢集団の平均点)」÷「同年齢集団の標準偏差」}




知能検査の分類

 知能検査の分類には、個別式知能検査と集団式知能検査といった分類もあります。
 個々人に対して実施する「個別式知能検査」に対して、集団で一斉に実施するのが「集団式知能検査」です。

個別式知能検査:

 個別式知能検査の代表的な検査には下記のようなものが挙げられます。

  1. ビネー式」、「ウェクスラー式
  2. 「K-ABC」、「ITPA」、「DAM(グッドイナフ人物画知能検査)」(K-ABC・ITPA・DAM)
  3. 知能に関する神経心理学検査
    「コース立方体組み合わせテスト」、「レーヴィン色彩マトリックス検査」、「WAB失語症検査」など
集団式知能検査:

 個別式知能検査に対して、集団で一斉に行う「集団式知能検査」もあります。
 集団知能検査として代表されるのは、「陸軍心理検査/アーミーメンタルテスト(AMT:Army Mental Test)」です。
 これは、Otis,A.(オーティス)の原案を元に、Yerkes,R.(ヤーキーズ)らが米陸軍の兵員配置のために作成した集団知能検査であり、「α式とβ式」からなります。

  1. α(アルファ)式:言語性検査。日本ではA式として改訂。
  2. β(ベータ)式:動作性検査。日本ではB式として改訂。

 日本の集団式知能検査として、田中寛一らによって作成された「田中A式・B式知能検査」があります。
 集団式知能検査は、学習障害や発達の遅れのスクリーニングとして使うことができます。



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