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心理学用語集: 研究倫理

6 - 統計・研究法研究法 > 25- 研究倫理

 ここでは、研究において必要不可欠な「研究倫理」についてまとめます。

用語: 研究の3原則不正行為



研究倫理の3原則

 研究倫理の原則として、下記の3つが掲げられています(ベルモント・レポート)。
 研究をおこなうにおいては、下記の3つの原則を遵守します。

  1. 人格の尊重(インフォームド・コンセント)
    研究対象者に研究に関する十分な説明を行い、同意を得る。強制や不当な誘因(報酬)ではない、自由意志(自発的な意志)が尊重される。
    オプトアウト(拒否する機会の提供)の明示。個人情報の保護。
  2. 善行
    研究対象者に対するベネフィット(利益)が、リスク(不利益)を十分上回るときに許容される。
  3. 正義
    研究対象者は、科学的根拠を基にして(効果が見込まれる事)、公正に選ばれる(弱者などを対象にしない)。


研究の不正行為

 科学の健全な発展には、公正で質が担保された研究が不可欠です。それを阻害する研究における不正行為や不適切な行為としては下記のようなものが挙げられます。

  1. 「捏造(ねつ造)」:
     存在しないデータ、研究結果等を作成する事。
  2. 「改ざん」:
     データ、研究結果等を事実と異なるものに加工する事。
  3. 「盗用」:
     他人の研究、データ、アイディア等を了承、適切な表示なく流用する事。(引用文献を記載しないなど)
  4. 「不適切な著者記載・選択」:
     論文に寄与していない者を著者にいれる、逆に寄与した者を著者に入れない事。
  5. 「多重投稿(重複投稿)」:
     複数の学術誌に、実質同一の論文を投稿する事。
  6. 「利益相反(COI)」:
     金銭やその他の利害を考慮すると、専門家としての判断に妥協や偏りが生じる可能性のある状況の事。
     利益相反を自ら開示し、適切な管理を受け、透明性を確保する必要がある。


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