量的研究と質的研究の特徴と、質的研究に用いられる分析方法としてKJ法やグラウンデッド・セオリー・アプローチについてまとめます。
用語:
量的研究と質的研究の特徴についてまとめます。
量的研究とは、対象を数量を用いて理解する研究といえます。仮説の検証や予測をするために用いられます。
また、多数を対象として共通する一般傾向を明らかにするためにも用いられます(法則定立的方法)。
データを数量化し、統計的手法による仮説検定や解析を行います。
質的研究とは、対象を言語的な記録などといった数量で表現できないデータを用いて理解する研究といえます。仮説を立てるために用いられます。
プロセスや文脈などもデータとしてとらえ、特定の対象を多面的、多層的に理解します。
質的研究においても、主観的にならず、客観性を確保する方法論が工夫されており、KJ法やグランデット・セオリー・アプローチが用いられます。
質的研究に含まれるものとしては「事例研究法」と「エスノグラフィー」があります。
質的研究の分析方法として、「KJ法」や「グラウンデッド・セオリー・アプローチ」、「会話分析」があります。
KJ法は、川喜田二郎(イニシャルがKJ)が考案したデータの整理方法です。
収集した言語データをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて、統合することで、新たな発想を生み出す方法です。
グラウンデッド・セオリー・アプローチは、質的分析方法の一つであり、現象を説明する理論(仮説)を作り出す方法です。
得られた言語データを1行ごとにコード化し、そのコードの分類と関連付けを行うことで理論を作り出します。
日本では、「修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ」が用いられた研究が行われています。
会話分析とは、会話者自身が会話をする中で、作り出し、利用する、秩序性を判別し、定式化しようとする分析方法です。
会話分析においては、会話の録音・録画、現実の会話を一定のシンボルにしたがって転記した記録である「トランスクリプト」が用いられます。
研究法の一つにアクションリサーチがあります。
「アクションリサーチ」とはK.Lewin(レヴィン)によって提唱された研究法であり、集団力学の理論を社会生活に応用し、具体的な事態の改善を試みることを意図する研究などとされます。