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心理学用語集: 乳幼児・児童発達検査

4 - 心理査定・検査発達検査 > 61- 乳幼児・児童発達検査

 ここでは、乳幼児を対象とした「乳幼児発達検査」や「児童発達検査」などについてまとめます。
 その他の発達検査として「自閉スペクトラム症検査」や「注意欠如/多動症検査」があります。
 
用語:発達年齢・発達指数日本版デンバー式遠城寺式乳幼児新版K式MCCベビーテスト津守式乳幼児(津守・稲毛式) / S-M社会生活能力検査VinelandASEBA(YSR・CBCL・TRF)



乳幼児・児童発達検査の概要

 発達検査のうち、「乳幼児発達検査」とは、乳児から就学前児童の精神発達を測定する検査です。
 指標には、「発達年齢(DA)」や「発達指数(DQ)」があり、知能指数IQと類似しています。

 発達指数DQ=「発達年齢DA」÷「生活年齢CA」*100


 発達検査は、「Buhier,C (ビューラー)」と「Gesell,A,L.(ゲゼル)」の研究に始まり、数多く開発されています。
 ゲゼルは、双生児統制法による実験や発達における「成熟優位説」を説いたことで有名ですが、行動発達基準を参照した「子どもの行動観察」による発達診断を行いました。
 観察は、「適応行動」「粗大運動行動」「微細運動行動」「言語行動」「個人−社会行動」の5領域からなり「新発達診断学」と呼ばれます。

 以降に、乳幼児・児童発達検査を以下の3つに分類して記載します。

  1. 発達スクリーニング検査」:
     日本版デンバー式発達スクリーニング検査, 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法
  2. 子どもを直接検査する検査法」:
      新版K式発達検査2001, MCCベビーテスト
  3. 養育者等による問診に基づく検査法」:
      津守式乳幼児精神発達診断法, S-M社会生活能力検査, Vineland-II, ASEBA(YSR・CBCL・TRF)

発達スクリーニング検査

 発達の遅滞や障害を早期かつ簡便にスクリーニングし、発見する検査は「発達スクリーニング検査」と呼ばれます。
 代表的な検査としては、「日本版デンバー式発達スクリーニング検査」と「遠城寺式乳幼児分析的発達検査法」が挙げられます。


日本版デンバー式発達スクリーニング検査:
  1. 適用年齢は、「0歳〜6歳」。
  2. 知的障害等」の発達の偏りを早期に発見し、予防に資することを目的とした検査。
  3. 所定の器具と検査用紙を用いて子どもに対して直接実施。
     乳幼児の発達について『個人―社会』、『微細運動―適応』、『言語』、『粗大運動』の4領域、104項目から全体的にとらえ、評価する。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査法:
  1. 適用年齢は、「0か月〜4歳8か月」
  2. 脳性まひ、知的障害等のスクリーニングを目的とした検査。
  3. 「親への質問」と「子供の反応・回答」から評価する。
     「移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解」の6領域、151項目で構成される。

子どもを直接検査する検査法

 子どもを直接検査する代表的な方法としては、「新版K式発達検査2001」、「MCCベビーテスト」が挙げられます。


新版K式発達検査2001:
  1. 適用年齢は、「0歳〜成人」。
    (以前は0歳3か月〜14歳0か月まで。2001年版から成人まで引き上げられた)
  2. 乳幼児や児童の発達の全体像を「様々な側面の進みや遅れ」、「バランスの崩れ」などからとらえる。発達年齢から発達指数DQを算出する。
  3. 「子供の反応・回答」から「姿勢・運動(P-M)」「認知・適応(C-A)」「言語・社会(L-S)」の3領域について評価する。
     通過した検査項目には+(プラス)、未通過の項目には−(マイナス)の符号を付ける。
MCCベビーテスト(MCC: Mother-Child-Counseling):
  1. 適用年齢は、「2ヶ月〜30ヶ月」。
  2. 乳幼児の精神発達のアセスメントや知的障害児の把握する。発達年齢から発達指数DQを算出する。
  3. 「子供の反応」から評価する(一部養育者の報告も聴く)。
     Cattell,P.(キャッテル)の乳幼児精神発達検査の翻訳に基づく。

養育者等による問診に基づく検査法

 養育者等による問診に基づいて検査する代表的な方法としては、「津守式乳幼児精神発達診断法(津守・稲毛式)」、「新版S-M社会生活能力検査」、「Vineland-II適応行動尺度」などが挙げられます。


津守式乳幼児精神発達診断法(津守・稲毛式):
  1. 適用年齢は、「0歳〜7歳」(0歳版、1歳〜3歳版、3歳〜7歳版がある)。
  2. 子どもの発達、遅滞の領域を知り、保育に役立てる。発達輪郭表(プロフィール図)を作成する。
     0歳〜3歳までは、発達年齢から発達指数DQを算出できる(ビネー式との相関は低いとされる)。
  3. 養育者に質問し、検査者が「〇×△」でチェックする。3歳以上では養育者や保育者が直接回答可能。
     「運動」「探索」「社会」「生活習慣」「言語」の5領域から評価。
S-M社会生活能力検査(新版/第3版):

 新版S-M社会生活能力検査は、2016年に改定され「S-M社会生活能力検査 第3版」となりました。
 S-M(Social-Maturity)は「社会成熟度」のことであり、この検査は「ヴァイランド社会的成熟度尺度」をもとにしています。

  1. 適用年齢は、「乳幼児〜中学生」。
  2. 子どもの社会生活能力の発達を捉える検査。知的障害児・発達障害児などの指導への手がかりを得る。
     社会生活年齢(SA)と社会生活指数(SQ)が算出できる。
  3. 保護者や担任教師が回答。
     「身辺自立(SH)」「移動(L)」「作業(O)」「コミュニケーション(C)」「集団参加(S)」「自己統制(SD)」の6領域から評価。
Vineland-II適応行動尺度:

 Vineland-II(ヴァインランド・ツー)は、適応行動の発達水準を幅広くとらえ、支援計画作成に役立つ検査です。

  1. 適用年齢は、「0歳〜92歳」。
  2. 対象者の様子をよく知っている保護者や介護者などに半構造化面接を行う。
  3. 4つの適応領域(コミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキル)を評価し、標準化得点を算出。
ASEBA(YSR・CBCL・TRF):

 ASEBAは、T. M. Achenbach らが開発した心理社会的な適応/ 不適応状態を包括的に評価するシステムです。
 対象年齢によって「幼児」「学童児」「青年後期〜成人」によって分かれます。
 「学童児」用は、記入者によって下記の3種類の質問紙に分かれます。

  1. YSR(Youth Self Report): 評価対象者自身が記入
  2. CBCL(Child Behavior Checklist): 親が記入
  3. TRF(Teacher’s Rating Form): 教師が記入


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