ここでは、乳幼児を対象とした「乳幼児発達検査」や成人まで適応可能な「発達検査」などについてまとめます。
その他の発達検査として「自閉スペクトラム症検査」や「注意欠如/多動症検査」があります。
用語:
発達検査のうち、「乳幼児発達検査」とは、乳児から就学前児童の精神発達を測定する検査です。
指標には、「発達年齢(DA)」や「発達指数(DQ)」があり、知能指数IQと類似しています。
発達指数DQ=「発達年齢DA」÷「生活年齢CA」*100
発達検査は、「Buhier,C (ビューラー)」と「Gesell,A,L.(ゲゼル)」の研究に始まり、数多く開発されています。
ゲゼルは、双生児統制法による実験や発達における「成熟優位説」を説いたことで有名ですが、行動発達基準を参照した「子どもの行動観察」による発達診断を行いました。
観察は、「適応行動」「粗大運動行動」「微細運動行動」「言語行動」「個人−社会行動」の5領域からなり「新発達診断学」と呼ばれます。
以降に、乳幼児・発達検査を「発達スクリーニング検査」、「子ども/対象者を直接検査する検査法」、「養育者等による回答に基づく検査法」の3つに分類して記載します。
発達の遅滞や障害を早期かつ簡便にスクリーニングし、発見する検査は「発達スクリーニング検査」と呼ばれます。
代表的な検査としては、「日本版デンバー式発達スクリーニング検査」と「遠城寺式乳幼児分析的発達検査法」が挙げられます。
子ども/対象者を直接検査する代表的な方法としては、「新版K式発達検査2001」、「MCCベビーテスト」が挙げられます。
養育者等による問診に基づいて検査する代表的な方法としては、「津守式乳幼児精神発達診断法(津守・稲毛式)」、「新版S-M社会生活能力検査」、「Vineland-II適応行動尺度」などが挙げられます。
新版S-M社会生活能力検査は、2016年に改定され「S-M社会生活能力検査 第3版」となりました。
S-M(Social-Maturity)は「社会成熟度」のことであり、この検査は「ヴァイランド社会的成熟度尺度」をもとにしています。
Vineland-II(ヴァインランド・ツー)は、適応行動の発達水準を幅広くとらえ、支援計画作成に役立つ検査です。高齢者にも適用可能です。
ASEBAは、T. M. Achenbach らが開発した心理社会的な適応/ 不適応状態を包括的に評価するシステムです。成人にも適用可能です。
対象年齢によって「幼児」「学童児」「青年後期〜成人」によって分かれます。
「学童児」用は、記入者によって下記の3種類の質問紙に分かれます。