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心理学用語集: 注意欠如/多動症・チック症群

3 - 精神病理発達障害 > 24- 注意欠如/多動症・チック症群

 ここでは、「注意欠如/多動症(注意欠如/多動性障害)」(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperacitivity Disordor)、及び「チック症(チック障害群)」についてまとめます。
用語:注意欠如/多動症(AD/HD) / 心理検査(ADHD-RS, Conners3, CAARS, ASRS, CAADID) / チック症



  
注意欠如/多動症(AD/HD)

 注意欠如/多動症(AD/HD)は、DSM-5の診断名であり、ICD-10では多動性障害という診断名になります。
 注意欠如/多動症とは、「年齢・発達に不釣り合いな注意力」及び・または「多動性・衝動性」の持続的な様式を特徴とし、社会的な活動、学業の機能に支障をもたらしている障害です。
 
 障害に伴う失敗が繰り返されることにより自尊感情に影響し、2次的に社会的引きこもりや不登校を招きやすいとされます。抑うつ・不安、行為障害(素行症:持続的反社会的な行動パターン)、反抗挑戦性障害(怒りにもとづいた反抗・挑戦的行動)などの2次障害が生じる場合も多いとされます。

         
不注意の問題
  1. 「活動に集中できず、持続性が低い」
     学業、仕事、または他の活動中にしばしば綿密に注意を払うことができない。直接話掛けられた時に、しばしば注意を持続することが困難である。課題や活動に必要なものをしばしばなくしてしまう、忘れぽい。など
  2. 女子は不注意しかみられない場合がある。
  3. 不注意は、成人になっても継続するといわれている。
多動性・衝動性の問題
  1. 「過度に落ち着きがない、制止ができない」
    しばしば手足をそわそわ動かしたりトントン叩く、席を離れる。しゃべりすぎる、自分の順番を待てない、他人を妨害し邪魔するなど。
  2. 男子は多動性・衝動性しかみられない場合がある。
  3. 多動性及び衝動性は、加齢とともに症状が落ち着く。

 DSM-5の診断基準としては、不注意、多動性および衝動性のそれぞれ9症状のうち6つが「6ヶ月以上持続したこと」がある事となっています。また、発症確認の年齢上限は「12歳」となっています。
 DSM-5においては、自閉スペクトラム症(ASD)と重複した診断が可能となりました(併記可能)。


アセスメント・心理検査:

 注意欠如/多動症(AD/HD)の評価尺度としては、下記が挙げられます。
 AD/HDの子どもが多動性や衝動性を示すように、被虐待児も感情や衝動性のコントロールが困難で落ち着きのなさを示すことがあります。両者の行動には類似している点があるため、アセスメントに注意が必要となります。

小児用・児童の検査

  1. ADHD-RS(ADHD評価スケール:診断・スクリーニング・重症度評価)
  2. Conners3(本人・保護者・教師の質問紙回答による包括的な症状の評価)

成人用の検査

  1. CAARS(Conners' Adult ADHD Rating Scales):Conners3の成人版
  2. ASRS(成人期のADHD自己記入式症状チェックリスト)
  3. CAADID(Conners' Adult ADHD Diagnostic Interview For DSM-IV):面接によるADHDの診断

 不注意と衝動性を客観的に評価する検査として「CPT(持続処理課題)」といった検査もあります。


ADHDに対する支援法:

 ADHDに対する支援法としては、下記が行われます。

  1. 環境調整(養育環境や学校環境)
  2. 心理療法(行動療法・応用行動分析
  3. ソーシャルスキルトレーニング
  4. ペアレント・トレーニング(親向けの子育てトレーニング)
  5. 薬物療法(精神刺激薬治療)

 薬物療法では、精神刺激薬である「コンサータ(メチルフェニデート)」や「ストラテラ(アトモキセチン)」、「インチュニブ(グアンファシン)」、「抗うつ薬」などが有効とされています。



  
チック症群(チック障害群)

 「チック」とは、突発的、急速、反復性、非律動性運動または発声のことをさします(非律動性:律することができない)。
 DSM-5における、チック症群には、1種類または多彩のチックの持続があり「18歳以前に発症した」ことが基準となっています。
「運動チック」とは、はげしくまばたきを繰り返したり、極端に顔をしかめたり、頭を振るなどをさします。
「音声チック」とは、しゃっくりや咳、発生などをさします。
 チックの発症は男児が圧倒的に多いとされています。

 DSM-5では、チック症群は運動群に属しており、チック症群の中には「トゥレット症」、「持続性運動チック・音声チック」、「暫定的チック症」があります。
 
 援助法としては、抗精神病薬を中心とした「薬物療法」や「行動療法」を行います。
 行動療法である「ハビットリハーサル法」を中心とした包括的な技法と親へのカウンセリングを行うことの有効性が示されています。

トゥレット症(トゥレット障害):

 トゥレット症とは、運動チックと音声チックの両方が存在する障害です。
 相手の言葉を同じように繰り返す「反響言語(エコラリア)」や卑猥な言葉などの「汚言」がみられます。

 
ハビットリハーサル法:

 ハビットリハーサル法とは、「チックと同時にできない別の動作をする練習を行う」という技法です。
 治療効果を高めるために、チックの回数を記録し確認するという「セルフモニタリング法」を併用します。



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