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公認心理師試験用語集 : 特別支援教育

5 - 法律・行政教育に関する法律 > 54- 特別支援教育

 ここでは、特別支援教育に関して、「特別支援教育の理念と対象」、「特別支援教育のための体制と取組み」、「特別支援学校・特別支援学級・通級への就学」をまとめます。
用語: 特別支援教育の対象 / 体制と取り組み(校内委員会・コーディネーター・教育支援/指導計画) / 特別支援学校・特別支援学級・通級 / 自立活動 / 特別支援学校教諭免許状 / ティーム・ティーチング



特別支援教育の理念と対象

 特別支援教育は、「障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。」とされています。(詳細:特別支援教育の推進について

対象となる障害:

 対象となる障害の対象は限定されていません。

対象となる機関:

 特別支援教育を推進する対象となる機関は、「幼稚園」から「高等学校」までであり、国公立だけでなく「私立」も対象となります。

  1. 幼稚園
  2. 小学校
  3. 中学校
  4. 高等学校
  5. 中等教育学校
  6. 特別支援学校

特別支援教育のための体制と取組み

 特別支援教育のための体制と取り組みとしては下記が挙げられています。

  1. 特別支援教育に関する「校内委員会」の設置:
     委員会の構成は、「校長、教頭、特別支援教育コーディネーター、教務主任、生徒指導主事、通級指導教室担当教員、特別支援学級教員、養護教諭、対象の幼児児童生徒の学級担任、学年主任、その他必要と思われる者」など。
  2. 実態把握:
     特別な支援を必要とする幼児児童生徒の存在や状態を確かめる。保護者と十分に話し合い連携して県つする。
  3. 特別支援教育コーディネーターの指名:
     各学校の校長は、教員を「特別支援教育コーディネーター」に指名し、校務分掌に明確に位置付ける。
     「特別支援教育コーディネーター」は、各学校における特別支援教育の推進のため、主に、「校内委員会・校内研修の企画・運営、関係諸機関・学校との連絡・調整」、「保護者からの相談窓口」などの役割を担う。
  4. 関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用:
     ”特別支援学校”においては、長期的な視点に立ち、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した教育的支援を行うため、医療、福祉、労働等の様々な側面からの取組を含めた「個別の教育支援計画」を活用した効果的な支援を進める。また、小・中学校等においても、必要に応じて策定する。
  5. 「個別の指導計画」の作成:
     ”特別支援学校”においては、幼児児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に対応した教育を一層進めるため、「個別の指導計画」を活用した一層の指導の充実を進める。また、小・中学校等においても、必要に応じて作成する。
  6. 教員の専門性の向上:
     各学校は、校内での研修を実施したり、教員を校外での研修に参加させたりすることにより専門性の向上に努める。
     ”特別支援学校”は、特別支援学校教員の「特別支援学校教諭免許状」の保有状況の改善、研修の充実に努める。
  7. 特別支援学校の地域における「特別支援教育のセンター的機能」:
     ”特別支援学校”は、地域における特別支援教育のセンターとしての機能の充実を図り、他の機関(幼稚園〜中等教育学校)の要請に応じて、発達障害を含む障害のある幼児児童生徒のための個別の指導計画や教育支援計画の策定などを含めた支援に努める。
特別支援学校教諭免許状:

 「特別支援学校教諭免許状」とは、特別支援学校の教員が様々な障害についての基礎的な知識・理解と、特定の障害についての専門性を確保する資格です。特別支援学校の教員は、幼・小・中・高の教諭免許状に加えて、「原則取得すべき」免許です(詳細:教育職員免許状について)。
 ただし、幼・小・中・高の教諭免許状を有する者は、「当分の間」特別支援学校の相当する部の教諭等となることができるとされており(法附則第16項)、特別支援学校教諭免許の取得は必須条件となっていません

 また、「特別支援”学級”」の担任や、「通級による指導」を担当する教員については、特別支援学校教諭免許状などは必要とされていません。



特別支援学校・特別支援学級・通級への就学

 障害のある児童生徒等の就学先としては、「特別支援学校」と「小学校・中学校・中等教育学校前期課程(特別支援学級・通級による指導)」が挙げられます(参照資料)。

 就学先の決定は、「市町村の教育委員会」が行います。児童生徒等の障害の状態、その者の教育上必要な支援内容、教育体制の整備状況、保護者、及び専門家の意見等を勘案して、総合的な観点から決定するために下記の実施が求められます。

  1. 可能な限り障害のある児童生徒等が障害のない児童生徒等と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、必要な施策を講じること。
     → 特別支援教育は、特別支援学校及び特別支援学級だけで行われるわけではありません。
  2. 市町村の教育委員会は、乳幼児期を含めた早期からの教育相談の実施や関係機関との連携等を通じて、障害のある児童生徒等及びその保護者に対し、「就学に関する手続等についての十分な情報の提供を行うこと」。
  3. 就学先の決定には「保護者の意見聴取が義務づけられており」、市町村の教育委員会は意見聴取に基づき可能な限り保護者の意向を尊重すること。
     ただし、就学先の決定には、保護者の意見聴取だけでなく「専門的知見を有する者の意見聴取」も行うことが、市町村の教育委員会に義務づけられています。
特別支援学校への就学:

 特別支援学校へ就学する対象となるのは、「視覚障害者」「聴覚障害者」「知的障害者」「肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む)」です。発達障害は含まれていません

 ( 補足: ▼ 聴覚障害

特別支援学級・通級:小・中・中等教前期への就学

 小学校・中学校・中等教育学校前期課程において、「特別支援学級」が置かれている場合には、特別支援学級にて教育を受けます。特別支援学級は「学校教育法第81条第2項」の規定に基づきます。
 「通級」は、通常の学級に在籍していながら、個別的な特別支援教育を受ける制度です(学校内または、他の学校にて教育をうける)。通級による指導は「学校教育法施行規則第140条・第141条の規定」に基づきます。
 特別支援学級と通級の対象となる障害は異なっています。


特別支援学級と通級の対象(◎)
障害支援学級通級
知的障害者-
肢体不自由者
病弱者及び身体虚弱者
弱視者
難聴者
言語障害者
自閉症
情緒障害者
学習障害者-
注意欠陥多動性障害者-

※ 情緒障害は、選択性緘黙/場面緘黙が該当します。


通級による指導の留意点には下記があります。

  1. 通級による指導内容や時数、結果などを「指導要録」に記録する。
  2. 通級による指導の担当教員は、児童生徒の在籍学級の担当教員と連携協力を図る。
  3. 通級による指導を担当する教員は、当該障害の種類とは異なる障害の種類に該当する児童生徒を指導することができるようにする
  4. 学習障害、または注意欠陥多動性障害」の児童生徒については、通常の学級における「教員の適切な配慮」や「ティーム・ティーチングの活用」、「学習内容の習熟の程度に応じた指導の工夫」等により対応することが適切である者も多くみられることに十分留意する。

 特別支援学級、および通級による指導においては、「自立活動」と「各教科の補充指導」が行われます。
 「特別支援学級」の担任や「通級による指導」を担当する教員については、特別支援学校教諭免許状などは必要とされていません。


自立活動:

 自立活動とは、「個々の生徒が自立を目指し、障害に基づく種々の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身の調和的発達の基盤を培うこと」です。
 聴覚障害特別支援学校の自立活動としては、筆談やメール、読話、発語などが行われています。

ティーム・ティーチング:

 ティーム・ティーチング(チームティーチング)は、授業場面において、2人以上の教職員が連携・協力を通して1人ひとりの子どもおよび集団の指導をおこなう方法および形態とされます。
 学級内における教師間の協力はもとより、学級の枠を超えて適宜移動し、学習集団を柔軟に編成すること(学習内容、興味・関心、達成度などに応じた柔軟な学習集団編成)が大きな特徴です。

 



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