ここでは、「労働者派遣法」(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)についてまとめます。
用語:労働者派遣事業 / 労働者派遣法 / 雇用安定措置 / 同一労働同一賃金
労働者派遣事業とは、派遣元事業主(派遣会社)に登録している労働者(派遣労働者)を、派遣先(取引先)となる事業所へ派遣して、かつ派遣先担当者の指揮命令のもとで労働を提供する雇用形態とされます。
派遣労働者は、派遣会社の正規雇用社員である「常用型(無期雇用)派遣」と派遣会社の非正規雇用社員である「登録型(有期雇用)派遣」に分かれます。
登録型派遣の場合は、派遣先企業の仕事の依頼が有るときのみに、期限付きで派遣会社と労働者の間で雇用契約が結ばれます。
「労働安全衛生法」において、事業者による安全衛生管理体制の構築(衛生委員会の設置や産業医の選任など)、健康診断の実施、ストレスチェック制度の実施などが義務づけられています。
派遣社員においては、「派遣元」の事業者が派遣労働者の雇用主として安衛法上の責任を負います。
ただし、派遣先の事業者も派遣労働者を含めて安全衛生管理体制を行う必要があります。ストレスチェック制度においては、個人対応は「派遣元」が行いますが、集団対応(集団分析やその対応)は派遣先でも行うことが望ましいとされます(参照:ストレスチェック制度実施マニュアル)。
労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図る法律であり、1985(昭和60)年に公布されました。
その後、派遣事業の対象となる業種の拡大、派遣期間に関する改正等が行われました。2020(令和2)年4月時点の規定のうち「派遣受入れ期間」と「派遣労働者の同一労働同一賃金」について記載します。
2015(平成27)年の労働者派遣法の改正によって、「すべての業種」において同じ事業所で3年を超えて働くことは、基本的にできなくなりました(専門知識や技術などを要する専門26業種も、それ以外の業種もすべてが対象。事業所とは、支店などをさし、場所的等が独立している労働場所)。
但し、下記の場合のような場合は対象外となり、3年を超えて就業する事が可能です。
派遣労働者が継続して同じ事業所に3年派遣される見込みとなった場合には、派遣元事業主(派遣会社)に対して「雇用安定措置の義務」が生じます(1年以上派遣される見込みとなった時点で「努力義務」が生じる)。
派遣労働者が就業継続を希望する限りは「派遣会社」は下記のいづれかの雇用安定措置を行う義務があります(引用)。
2020(令和2)年から、派遣労働者の同一労働同一賃金が適用されました(厚生労働省)。
派遣元事業主(派遣会社)は、派遣労働者の公正な待遇を確保するために下記のいづれかの待遇決定方式を行わなければなりません。