本文へスキップ

公認心理師・臨床心理士・心理職(心理系公務員)を目指す方々のための「心理学用語」を説明したサイトです

心理学用語集: チョムスキーとサピア=ウォーフの言語仮説

1 - 基礎心理学発達 > 46- チョムスキーとサピア=ウォーフの言語仮説

言語の発達については、様々な仮説や理論が展開されています。
ここでは、下記の5つについてまとめています。

  1. チョムスキーの変形生成文法理論
  2. 言語相対性仮説:サピア=ウォーフの仮説
  3. 学習理論による言語獲得過程
  4. 個体内コミュニケーション(自己調整機能)の発達
  5. 言語学習の制約論(マークマン)

変形生成文法理論:Chomsaky,N.A(チョムスキー)

  発達の重要な側面である言語の領域において、基本的な言語機能が生得的に備わっているとするのがChomsaky,N.A(チョムスキー)の「変形生成文法理論」です。
子供は、文法的な文を全て記憶するのではなく、有限の文法文から無限の文法分を生成するというものです。

 この理論では、言語(文法)は生得的に備わる心的器官である「言語習得装置(LAD)」があると考えます。
そして、文法の基本部分(普遍文法)は生得的に決まっていて、その可変部分(言語習得関数)が経験により決定されて個別の言語が生成すると考えます。



言語相対性仮説:サピア=ウォーフの仮説

 言語が、人の外的事象に対する認知的処理(思考の型や認識など)を規定するという仮説について説明します。この考えは、人の高次精神機能は言語により媒介されますが、言語化できないものは高次な認知が困難であるということを示しています。

 Sapir,E、Whorf,B.L(サピア=ウォーフの仮説)の「言語相対性仮説」とは、母国語となる言語によって語彙や構文法などには偏りがあり、このことが民族的な認知・思考の偏りを支配しているという説です。

この仮説には、「言語が人の思考を支配する」という強い仮説と、「言語が思考の傾向に影響を与える」という弱い仮説があります。



学習理論による言語獲得過程 : Skinner(スキナー)

 学習理論による言語獲得過程とは、「子供は、大人の言語を模倣し、正しければ強化、誤っていれば罰を受け、選択的な強化を受けるために正しい言語を学習して獲得する」という考えです。
Skinner(スキナー)によって提唱されました。

 この理論には、子供は、大人からすべての言語について模倣できるわけではないし、常に強化を受けているわけではないという疑問点が残りますが、言語獲得の一つの側面を表していると考えられます。

マザリーズ :

 マザリーズ(motherese)とは、母親を始め、大人が乳幼児に向けた、意識するしないにかかわらず自然と口をついて出る、声の調子が高くゆったりとしたリズムの話し方をいいます。
 このマザリーズや対乳児音声の働きに関して一般的には、子供の言葉の発達を促進するように働くと仮定されています。



個体内コミュニケーション(自己調整機能)の発達 : Luria,A.(ルリア)

 Luria,A.(ルリア)によれば、人の自己調節機能の発達にも言語が関与しています。
 1歳半までは、言葉の発動機能により行動が促進されますが、言葉の意味的側面に応じた行動の調節はできません。
しかし、3、4歳になると、外部からの言葉の意味に応じた行動ができるようになります。
そして、5、6歳になると、自分自身に向けた言葉の意味に応じた行動の調節、つまり、「言語的な自己調整機能」が獲得され、意思的な振る舞いができるようになるというものです。



制約論 : Markman.E.M(マークマン)

 Markman, E.M. (マークマン)は、人間が言葉の意味を理解する学習プロセスに大きく3つの制約があるとする制約論を考えました。
モノ(事物)が提示されてそのモノを指し示す『言葉(単語)』が語られたときには、以下の制約があるとされます。

事物全体制約 語られたその言葉は『モノの部分』ではなくて『モノの全体』を指示するという制約のこと。
事物分類制約 語られたその言葉は『モノが所属するカテゴリー』を指示するという制約のこと。たとえば幼児は、言葉を特定事物に対してではなく、それと形の似たもの全般(カテゴリー)に適用する傾向がある。
相互排他性 『一つのモノ(対象)』には『同一カテゴリーに属する名称』しかつかないという制約です。『一事物一名称の原理』と呼ばれることもあります。「犬」を猫やライオンなどと呼ぶことはできないという傾向です。



1 - 基礎心理学 > 発達 >





バナースペース