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心理学用語集: 多職種連携

2 - 心理療法心理面接・多職種連携 > A3- 多職種連携

 心理的支援には、「心理療法」や「精神保健(予防)」などがありますが、クライエントの問題には様々な要因が複合的に関連しており、心理士が専門分野に閉じて支援するだけでは十分ではありません。
 クライエントに対して、包括的な援助を行うためには、多職種との連携が不可欠となります。
 ここでは、多職種と連携して支援する「コラボレーション」や「コンサルテーション」についてまとめます。


コラボレーション

 コラボレーションとは、「異なる専門家が共通の目標に向けて、相互に利益をもたらすような新たな援助を生成していく協力行為、もしくはチームワークの形態」をさします。専門家同士は、対等な立場で対話しながら、「責任とリソースを共有」して共に活動を計画・実行します。

 コラボレーションという概念は、「生物・心理・社会モデルといったシステム論の広がり」や、「利用者が主体の援助観の変化」、「援助内容の経済的効率性と質の保証の重視」といった背景から求められるようになったとされています。

利点
  1. 利用者に様々なサービスが提供される
  2. 援助者が相互に支援しあうことで専門性が高まったり、バーンアウトが防止される
  3. 新たなサービスやシステム開発の推進力が強化される
課題
  1. 各専門職がそれぞれの専門性を追求することが難しくなる
  2. チーム内の対立が生じる
  3. サービスの調整が困難


生物・心理・社会モデル:

「生物・心理・社会モデル」とは、個人の発達や身体的・精神的健康に影響する様々な要因を「生物・心理・社会」の3側面で総合的・包括的に理解し、効果的な支援を行うための枠組みです。
 生物・心理・社会モデルには、下記の2つのモデルがあります

  1. 生物・心理・社会が相互に作用し、かつ総合的な性質をもつという重なり合ったモデル
  2. 生物的な変容を中心にして、次に心理的な変容、さらに社会的な変容が生じるという階層的なモデル

 このモデルに対応した専門家としては、生物面は「医師や看護師など」、心理面は「公認心理師、臨床心理士など」、社会面は「社会福祉士、児童福祉司など」が挙げられます。


チーム医療:

 チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務分担しつつも 互いに連携・補完しあい、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と定義されます。
 チーム医療においては、対人援助役割の重複が認められ、職業集団の優劣を廃して、互いに業務の委譲を行い、自身の職種の専門性だけにとらわれず、できることを連携して、「優れた専門職」かつ「優れたチームプレーヤー」であることが要求されます。


リエゾン:

 コラボレーションやチーム医療に類似した概念として「リエゾン」があります。「リエゾン」とは、「連携・連絡」を意味します。
 医療機関においては、リエゾン精神医学に基づき、「一般の身体疾患に伴う精神症状や心理的問題に対して、医師と精神科医、医療スタッフが共同してあたる治療やシステムのこと」をさします。
 リエゾンはチーム医療に含まれますが、「精神症状に特化」しているといえると思われます。



コンサルテーション

 コンサルテーションとは、「課題に直面している専門的職業人(コンサルティ)から相談を受けた、他領域の専門家(コンサルタント)が助言や方策を与え、その課題に対して間接的な援助を行うこと」をさします。
 コンサルテーションは心理士の支援活動の1つとなります。下記にコンサルテーションの特徴をまとめます。

  1. コンサルティ(相談者)とコンサルタント(助言者)は、異なる職業の専門家間の「対等な関係」である。
  2. 相談された問題に関する責任は相談する側のコンサルティに帰属する。
  3. コンサルティの個人的な問題は扱わない。
    対象となった職業上の課題を扱い、時間や回数制限をもうけて行う。
  4. コンサルティが自分なりの発想ややり方で対処できるように、具体的で実行可能な方法を一緒に考える。

 スーパービジョンの場合は、同じ専門領域の専門家間で行われ、上下関係(経験・技能差)がある、個人的な問題も扱う(例:教育分析)という点などがコンサルテーションとは異なります。



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