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心理学用語集: テスト・バッテリー

4 - 心理査定・検査心理的アセスメント > 16- テスト・バッテリー

 「心理検査(概要)」にまとめてある通り、心理検査には、さまざまな種類があり、それぞれ長所と短所を持ちます。
 それぞれ検査の長所を生かし、短所を補い、より全体的なクライエントの理解ために重要なのが「テスト・バッテリー」です。
 ここではテスト・バッテリーと、心理検査の利点と限界についてまとめます。


テスト・バッテリー

 テスト・バッテリーとは、「クライエントを多面的、重層的に捉え全体的な理解をするために、複数の心理検査を組合せて実施すること」をさします。
 心理検査の組合せ自体を意味する場合もあります。

  1. 「多面的」とは、「知能」や「パーソナリティ」など、異なる複数の特性(測定対象)に関して理解をすることです。
  2. 「重層的」とは、ある1つの特性に対して複数の階層に関して理解をすることです。例えば、パーソナリティ検査であれば、意識レベルを質問紙法、前意識・無意識レベルを投映法で捉えることです。

 テスト・バッテリーは、「被検者への負担を軽減する」といった下記のような点に留意して行います。

  1. 検査目的を明確にする。
  2. 各検査の長所や短所といった特徴を理解し、実施や解釈に習熟している。
  3. 被検者への負担を軽減し、必要最低限の組合せで最大限の情報を得る。
  4. 検査順番に注意し、導入しやすい検査から始める。

 検査順番に関して、「大人は質問紙法」が導入しやすく、「子どもは描画法」が導入しやすいとされます。大人に対するパーソナリティ検査としては、例えば、「MMPI(質問紙)、ロールシャッハテスト(投映法)、バウムテスト(投映法)」といったテスト・バッテリーが考えられます。


心理検査の反応自由度と客観性:

 代表的な心理検査の「被検者の反応の自由度」と「検査の客観性」は下図にように表現されます。
 反応の自由度が高いほど、客観性は低くなります。




心理検査の利点と限界

 心理検査は、クライエントを理解するための有効な方法ですが、当然限界もあります。下表に心理検査の利点と限界をまとめます。

心理検査の利点
  1. 観察法や面接法では曖昧で見過ごされる点を捉えられる。
  2. 数量化や視覚化され、他者と共有しやすい形にできる。
  3. 治療の効果などの測定が可能である。
心理検査の限界
  1. 心理検査はあくまで被検者の一側面を測定しているだけである。
  2. 被検者の意識的な評価懸念や無意識の防衛、検査者の主観により結果が歪曲されうる。
  3. 検査状況の環境的環境や、検査者と被検者の関係が結果に影響を与える。


心理検査の留意点

 心理検査は、クライエントを理解するための有効な方法ですが、「テスト結果を絶対視しない」という留意が必要です。
 テスト結果を偏重する事は、「クライエントへの無用なレッテル貼りとなり、適切な理解ができず、治療の阻害にもなる」ということにもなりかねません。

 心理検査の限界をクライエントに説明したうえで、不適応な面だけでなく健康面にも着目し、心理検査の結果を治療に生かすということが重要となります。

 心理検査を行う際には、インフォームド・コンセントといった倫理的配慮は当然ながら、心理士としての姿勢にも留意します。

 検査についての説明を行い、被検者に生じる不安の解消に努めても、その不安が解消されない場合は、被検者とどう対処していくかを話し合うことが重要です。
 事前にクライエントの情報を可能な限り収集したうえで、検査の際にはラポールの形成に努めます。



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