ここでは、医学の基礎知識として、ヒトの「身体機能と身体構造」についてまとめます。
用語:成長と発達 / 老化による変化(更年期障害)/ 人体の構造や機能/ 生理・生殖機能など(ホメオスタシス)
成長とは「身長や体重など測定可能な形態や量の変化」を意味します。
発達とは「運動機能や精神機能など質の変化」を意味します。
成長・発達は、「個人の遺伝的要因と環境の相互作用の影響」、または「生物・心理・社会的な影響」を受けます。
<成長・発達による身体的変化>
(関連:乳幼児の発達)
老化とは、「加齢に伴い、身体の恒常性が変化し崩壊する一連の過程」を意味します。
「加齢による、意図しない衰弱、筋力の低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下など健康障害を起こしやすい心身の脆弱な状態」のことは「フレイル」と呼ばれます。
フレイルに陥った高齢者を早期に発見し、適切に介入をすることにより、生活機能の維持・向上を図ることが期待されています。
<老化による身体的変化>
<老化による精神の変化>
「人体の構造と各器官の機能」、および「その他の機能」についてまとめます。
男性と女性では、生殖器のみならず、全身の骨格や臓器の形態に差異が認められ、「性差」があります。
構造・器官 | 説明 |
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骨格構造 | 全身の骨格は、「体幹(頭蓋、脊柱、胸骨)」と「体肢(上肢、下肢)」よりなり、可動性のある関節結合と可動性のない不動結合でつながっている。 骨格を動かす筋は「骨格筋」と呼ばれ、心臓の心筋や内臓の壁は「平滑筋」と呼ばれる。 |
血液 | 血液は、体重の約12分の1である(60kgの人は5リットル)。 血液は、血球(赤血球、白血球、血小板)と血漿からなる。 |
呼吸器系 | 気道と肺からなる。肺は肺胞が集まっており、肺胸膜に覆われている。 |
循環器系 | 心臓から全身に血液を送る「体循環」と、肺に血液を送る「肺循環」とに別れる。
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リンパ系 | リンパ器官(リンパ節、リンパ管、胸管など)からなり、リンパ液の生成及び、組織の血液成分の回収・移動を担う。
血液やリンパ液、リンパ節に存在するリンパ球が、免疫系を構成。 |
内分泌系 | ホルモン分泌器官としては、「視床下部と下垂体(前葉・下葉)」「甲状腺」「副腎(皮質・髄質)」「性腺(卵巣・胎盤・精巣)」「膵臓」などがある。 |
神経系 | 神経組織は、「神経細胞=ニューロン(神経細胞体、樹状突起、軸索)」と支持細胞からなる。「シナプス」とは、神経細胞間の情報伝達部分(送信・受信部分)である。
神経細胞間の情報伝達は、細胞膜興奮による活動電位が軸索突起まで達して、シナプスから化学物質が放出され、次の神経細胞のシナプスの受容体に結合することで行われる。 中枢神経は、脳と脊椎にわけられる。脳の構造と脳神経については、「基礎心理学:脳の構造とその機能」を参照。 |
感覚器系 | 感覚には、「視覚(目)」「聴覚(耳)」「嗅覚(鼻)」「味覚(舌)」「平衡感覚」「体性感覚(温・冷覚、痛覚、触覚、圧覚、深部感覚など)」がある(基礎心理学:感覚・知覚)。 |
構造・器官 | 説明 |
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生理機能 | 生理機能とは、生命維持に必要な機能のこと。循環、呼吸、消化、内分泌、体温調節、排泄などを指す。
「病態生理」とは、生理機能が病的な状態と、その異常の原因のことを示す。 |
生体恒常性/ ホメオスタシス | ホメオスタシスとは、生体が、身体的、生理的状態を一定に維持しようとする働き(Cannon,W.Bが命名)。
具体的には、「体温の恒常性、血圧の恒常性、血糖の恒常性」があり、恒常性を保つ役割を担うひとつが、自律神経系。 自律神経系の詳細については、「神経細胞の構造とその機能」参照。 |
生殖機能 | 女性には下記のような性周期がある。
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