ここでは、投映法のうち描画法である「HTP」と、それを元に開発された「HTPP」「S-HTP」についてまとめます。
HTPテスト(House-Tree-Person Test)は「Buck,J.N(バック)」が開発した、家と樹木と人を描いてもらうことによってパーソナリティを査定する描画法の検査です。
低年齢から高齢者まで、あらゆる年齢層に受け入れられやすいという特徴があります。また、知能指数の算出もできるため、知能の査定も可能です。
バックは、描かれた家(H)、木(T)、人(P)には、下記のような事柄が投映されやすいと考えました。
<実施方法>
バックの原法による実施方法は下記のようになります。
描画後に「PDI(PostDrawing Interrogation)」と呼ばれる一定の質問を行います。PDIでの自由な言語表現を通して、解釈の手がかりを得ることもHTPの特徴です。
<分析方法>
HTPの分析には、量的分析と質的分析があります。
量的分析では、評価点数表に従い、描かれた家・木・人に対して、遠近法や比率などを得点化し、IQ(知能指数)を算出します。
質的分析では、描画内容や描画態度、描画順序や所要時間の特徴から被検者のパーソナリティを分析します。
「HTPPテスト」(House-Tree-Person-Person Test)は、高橋雅春がHTPテストを改良した検査であり、人については男女それぞれを描きます。
被検者は、「家」→「木」→「人物」→「その人物と反対の性別の人物」の順番に1枚づつ描きます。
同性の人物画が「自己の現実像」を表わし、異性の人物画が「異性の認知の仕方」を表しやすいと考えられています。
HTPの解釈に加えて、男女を描く順番や性差の表現の違いなどから解釈を行います。
「S-HTPテスト」(Synthetic-HTP:統合型HTP)は、「1枚の用紙に、家、木、人の3つ全て」を描いてもらう検査です。
被検者の特徴を、家、木、人の個々からだけでなく、それらの関係性からも把握できるという特徴を持ちます。