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心理学用語集: HTP・HTPP・S-HTP

4 - 心理査定・検査投映法 > 38- HTP・HTPP・S-HTP

 ここでは、投映法のうち描画法である「HTP」と、それを元に開発された「HTPP」「S-HTP」についてまとめます。



HTPテストの特徴

 HTPテスト(House-Tree-Person Test)は「Buck,J.Nバック)」が開発した、家と樹木と人を描いてもらうことによってパーソナリティを査定する描画法の検査です。
 低年齢から高齢者まで、あらゆる年齢層に受け入れられやすいという特徴があります。また、知能指数の算出もできるため、知能の査定も可能です。

 バックは、描かれた家(H)、木(T)、人(P)には、下記のような事柄が投映されやすいと考えました。

  1. 家(H): 家庭状況の認知や感情。
     自己像の反映としての現実や他者との関わり、情緒的安定性、性的発達度。
  2. 木(T): 深い無意識の自己像。
     深い感情や抑圧されている感情で、再検査による変化が最も少ないとされる。
  3. 人(P): 現実の自己像や理想の自己像。
     自分にとって重要な人物、人間一般の認識で、容易に自己が投影されやすく、抵抗や警戒心が生じやすく、最も描画が困難

<実施方法>
 バックの原法による実施方法は下記のようになります。
 描画後に「PDI(PostDrawing Interrogation)」と呼ばれる一定の質問を行います。PDIでの自由な言語表現を通して、解釈の手がかりを得ることもHTPの特徴です。

  1. 「家」→「木」→「人」の順番にひとつずつ描画してもらう。人は全身を描いてもらう。
  2. 絵の上手・下手を調べるわけではないこと、できるだけ上手に描画してもらうこと、写生ではないことなどを教示する。
  3. 描き出しと終了時間、部分を描く順序を記録する。
  4. 描画後にPDIを64問する。

<分析方法>
 HTPの分析には、量的分析と質的分析があります。
 量的分析では、評価点数表に従い、描かれた家・木・人に対して、遠近法や比率などを得点化し、IQ(知能指数)を算出します。
 質的分析では、描画内容や描画態度、描画順序や所要時間の特徴から被検者のパーソナリティを分析します。



HTPPとS-HTPの特徴
HTPPテストの特徴:

 「HTPPテスト」(House-Tree-Person-Person Test)は、高橋雅春がHTPテストを改良した検査であり、人については男女それぞれを描きます。
 被検者は、「家」→「木」→「人物」→「その人物と反対の性別の人物」の順番に1枚づつ描きます。

 同性の人物画が「自己の現実像」を表わし、異性の人物画が「異性の認知の仕方」を表しやすいと考えられています。
 HTPの解釈に加えて、男女を描く順番や性差の表現の違いなどから解釈を行います。


S-HTPテストの特徴:

 「S-HTPテスト」(Synthetic-HTP:統合型HTP)は、「1枚の用紙に、家、木、人の3つ全て」を描いてもらう検査です。
 被検者の特徴を、家、木、人の個々からだけでなく、それらの関係性からも把握できるという特徴を持ちます。

  1. 1枚の用紙だけを用いるため、被検者の負担少ない。
  2. 家、木、人を統合する力が試される。
  3. 家、木、人の関係性による情報が得られる。
  4. 自由度が高いため、より直接的な情報が得られる。


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