ここでは、投映法のうち描画法である「人物画テスト」と「家族画法」についてまとめます。
「人物画テスト」とは、人物像を描いてもらうことによって、被検者の発達やパーソナリティを検査する描画法です。
代表的な検査として、「DAP(Draw A Person)」と「DAM(Draw A Man)」が挙げられます。
DAMは、「Goodenough,F.L.(グッドイナフ)」が開発した心理検査であり、「動作性知能検査」です。別途、知能検査の中で記述します(知能検査DAM)。
DAPは、「Machover,K(マコーバー)」が作成したパーソナリティ検査です。
性別の異なる1人の人物をそれぞれ1枚づつ描きます。
1人の人物を描く過程での内容や順序、形式的要素の解釈により「攻撃性・非社会性・退行的傾向等」の人格特徴の判断を行います。
「家族画法」とは、被検者を含む家族を描いてもらうことで、個人のパーソナリティ及び、その人の家族システムや家族関係を検査する描画法です。
家族画法は、1950年代にHulse,W.C(ハルス)が考案した「DAF(Draw A Family)」が始まりとされています。家族全体を描いてもらうことで、被検者を家族システムから考える試みであり、家族間の葛藤の考察を行う事ができます。
代表的な検査として、「Burns,R.C(バーンズ)」と「Kaufman,S.H(カウフマン)」が開発した「動的家族画法(KFD:Kinetic family drawings
)」が挙げられます。
動的家族画法は、固定的な描画でなく、「家族が何か動作をしているところを描いてもらうもの」で、家族間の力動の情報量が飛躍的に多いという特徴を持ちます。
解釈は「人物像の特徴、行為、描画の様式、象徴」の4項目から行われます。そのうち、「描画の様式」は動的家族画法の独自の方法であり、家族の構成員間の距離(接近や離反など)を7分類して分析を行います。